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石狩川河川敷の自然再生

10月28日日曜日 強風のなか今年も
「ごみを拾って植樹をしよう!自然を再生しよう!」
が行われました。主催は我々の大先輩にあたる「茨戸川環境市民フォーラム」
指導はおなじみ岡村教授。
 参加者は小さなお子さんを含め約50名で15ユニットで植樹を行います。
石狩川という第一級河川の河畔で自然再生を行うというのは許可を得ることすら日本ではまず例がないのだそうです。そこにかっての河畔に生息してハンノキ、ケヤマハンノキ、ハルニレ、ヤチダモ、クルミなど河畔林の再生を目指します。もし河畔林の再生が進めばそこに、フクロウ、イヌワシなどの猛禽類、川にはイトウまで戻ってくる可能性があります。写真は参加者の前でプロジェクトの概要など説明しているところ。背後に見えるのは石狩川です。
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この河川敷にケヤマハンノキ、シラカバ、ミズナラ、ヤチダモ、ハルニレ、キハダ、ハンノキ、オニグルミ、エゾヤマザクラ、イタヤカエデ、シナノキなど15種類の苗木が用意されました。この苗はすべて茨戸、当別周辺の自然林から採取されたものです。実際にその土地に生息していたものと同じか、近い遺伝子で自然を再生しようという意図です。
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一つのユニットは半径1,5メートル程度の円形が描かれ、その範囲の雑草を撤去しさらに4センチ程度ウッドチップが敷かれています。このウッドチップは表土の乾燥を防ぎ、さらに雑草の繁殖をある程度減らす効果があります。その中で半径約1メートルの円状に10個のポット苗をほぼ均等に植えていきます。
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植樹の後、植えた苗木とその位置、長さを記録用紙に記入します。隣が茨戸川環境市民フォーラムの巻さん。我々の活動も助けていただいております。
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我々もひとユニットを担当ししました。オニグルミの苗を植える常連の阿部さん。15分ほどでポット苗を植え終わり記録します。その後全員で河畔周辺のゴミ拾いをして終了ししました。
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その後は過去の植樹の様子を見て回りました。
まずは3か月ほど前にあいの里と当別の小学生が植えたものです。とりあえずほぼすべての苗は生きている。この地域では毎年夏に小学校の子供たちが、秋に我々一般人が参加しています。
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その後うっそうと伸びた葦の中をかき分けて2011年、2010年に植樹した場所を見た。これだけ雑草が茂ってしまい、さらに春の増水に浸りながら生きている苗があるのか疑問であったが、おおよそ葦に隠れながらもハルニレ、ヤチダモ、クルミ、ハンノキなどが生き残っている。そしてハンノキ、ケヤマハンノキはものによっては葦の高さを超えて成長しているものがあります。生き残っている苗の種類にはある程度傾向がみられそうですが、雑草に負けなくなっているように見えるものの中にも、実はずっとチャンスを狙っている樹種があるのかもしれないのでしょう。できるだけ人為的に選択しないことが大切です。
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写真は2011年植樹されたもの。左からハンノキ、ハルニレ、ヤチダモです。ほかにもケヤマハンノキ、クルミ、ミズナラなどが元気に育っていました。
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by kodomo_mirai | 2012-10-28 23:58

2012年10月13日のメインイベント

10月13日土曜日 今年も札幌市西区五天山公園で「子供と作ろう種から育てる未来の森」の実践セミナーが開かれました。この活動は砕石所跡地という表土が薄く荒廃した土地で自然再生を目指すプロジェクトです。
今回の植樹予定地は特に表土が薄く、スコップではほとんど掘ることができぬことが判明し。開催直前に急きょバールと剣先で地面に100箇所の植樹できる穴をあけることになりました。岡村教授、事務局長の柴田さん、そして私とスタッフの高田の4人で汗だくで掘り返しました。写真は柴田事務長と高田
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現地は実際これまで何度か植樹が試されましたが表土も薄く痩せていて期待した結果があられませんでした。現状はニセアカシヤやアメリカオニアザミなどの外来種がはびこる荒廃した状況です。
 五天山公園の展望台周辺で私たちは札幌市のご理解を得て自然再生活動をスタートしました。2009年10月に岡村俊邦道工大教授の指導によりこのプロジェクトを始めて今年でやっと4年目になります。10年以上、できればずっと継続していきたいと思っております。
一般的な植樹祭とは違い森林のメカニズムを理解し、自生種の採取、苗つくり、植樹がフィールドワークのなかですべて行います。もともと自然林の再生は伐採された山を放置すると周辺の自然林からの種子が飛来し新たな自然林が再生されます。しかし都市周辺の森はこの五天山公園のように放置すると侵略性の高い外来種の森になってしまいます。そこで最小限の人為的行為で自然林にきわめて近い森作りを目指します。
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まずは自然林と自然再生予定地の間の歩道で参加者に森つくりの主旨を説明する岡村教授
オオムラサキという蝶の話を例にあげて生物多様性の必要さを小さな子供でもわかる説明をします。
「オオムラサキはエゾエノキという木の葉だけを食べて生き延びることができる。ほかの蝶はほかの木の葉をそれぞれ食べて生き延びる。針葉樹の単層林では蝶は生きていけない。」
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すべての生物はこの多様性に富む環境の中で共存することができます。
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まずは植樹のスタートです。今回は五天山周辺の山で採ったミズナラ(どんぐり)のポット苗10個、話題のエゾエノキなど札幌の森で採取した種子から作った苗8種類の樹木、合計100本を10個のユニットに分けます。そして35名の参加者が10グループに分かれ、れぞれ10ポット植えます。植樹後は各グループが責任を持ってどの位置にどの木を植えたか正確に記録していきます。
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まずは教授がお手本をみせます。興味深々のまだ年少さんのN君。自宅の庭つくりに応用しようと参加の女性。
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初参加のKさんがお子さんととても熱心に植えてます。常連のOさん、お子さんがずいぶん大きくなりました。
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常連のI君はとうとう社会人一年目で有料参加に戸惑い。能力開発大学校 I 教授の教え子たちです。これからゼミの必修にすると教授は張り切っています。
植樹が終わりそれぞれ誰がどの木を植えたか詳細に記録します。そこで教授が一言
「私の話をちゃんと聞いていたかどうかが数年後結果で分かります。」

 一服の暇もなく継は種子採集に移ります。自然再生現場の脇にある自然林に移り種子採集を始めます。今年は10月に入っても例年に比べ気温が高くイタヤカエデの種子などがまだなっていません。まず真っ先に見つけたのがイヌエンジュの種子。問題のニセアカシヤと同じマメ科の植物。ただし北海道の自生種で大きな違いはニセアカシヤには枝や幹に鋭いとげが特徴です。
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その後品の木の種子を採取し最後はドングル拾いを行って今回の種子採集を終了。
開場を管理棟に移し、採取した種子を使って苗床を作ります。まずイヌエンジュの種子の皮をむき中から種を取り出す。それを苗床に移します。さらっと種を撒きその上から薄く土をかぶせ、砂利をさらりと敷き詰めます。
シナノキはプロペラの付いた黄土色の種子が特徴。簡単に種がとれそのまま苗床に撒ます。
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苗床について。土の成分は大まかに火山灰と軽石がほとんどで腐葉土が2割程度しか入っていません。苗をできるだけ厳しい状況で育てることにより、自然界に戻した時に苗床よりは良い環境になるように育てます。市販の苗や庭木はその多くが栄養分の豊富な土で育てられます。成長がとても速いのですが庭や公園に移植されたとき、土に養分が足りないと根を広げることができず弱り、枯れていきます。写真は我々の再生計画地に以前植えられた樹木。痩せた過酷な土地にいきなり大きな樹木を植えた典型的な結果です。
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10月13日土曜日 朝9時から12時までの3時間で無事予定の活動を終了することができました。雨という予報のなかの開催でしたが快晴に恵まれ、参加者の積極的な活動のおかげで無事「子供と作ろう種から育てる未来の森2012」を終了することができました。自然林再生の先端をいくプロジェクトでありながら小さな子供から関心を持って参加できる取り組みだと思っております。
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写真はミズナラの種子(どんぐり)でポット苗を作る子供たち
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これまで4回の再生の状況、今後のプランなど極力この場で公開していきたいと思います。
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by kodomo_mirai | 2012-10-14 00:26